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- 脊椎先天性奇形
こんな症状はありませんか?
- 長く続く首や背中の痛み、違和感
- 首や背中の動かしにくさ
- 肩こりや上腕の痛み
- 手や足のしびれ、力が入りにくい
- まっすぐ立つ・歩くときにバランスが取りにくい
- 肩や腰の左右差(見た目のゆがみ)
- 呼吸がしづらい、または心機能の異常
お子様に上記のような症状がみられる、あるいは「首が痛い」「手がしびれる」などご本人が訴える場合には、
脊椎先天性奇形の可能性も考えられます。
気になる症状が続くときは、早めに専門的な検査を受けましょう。
脊椎先天性奇形とは?
脊椎先天性奇形とは、胎児期の発育過程で脊椎(背骨)の形成に異常が生じることで起こる先天的な構造異常のことです。
生まれたときから存在していますが、成長に伴って背骨の変形が進行したり、神経への影響が現れたりする場合もあります。
軽度であれば症状が出ないこともありますが、変形の程度や位置によっては、姿勢のゆがみ・痛み・手足のしびれ・運動障害などの症状が現れることがあります。
また、他の臓器(心臓・腎臓・泌尿器など)に奇形を伴うケースも少なくありません。
脊椎先天性奇形の種類
脊椎先天性奇形には、さまざまなタイプがあり、単独または複数の奇形が組み合わさってみられることもあります。
代表的なものを以下にご紹介します。
癒合椎(ゆごうつい)
本来は独立して動くはずの椎骨(背骨の一部)が、先天的にくっついて一体化している状態です。
首(頸椎)や背中(胸椎)にみられることが多く、首の可動域が狭くなり、動かすと痛みや張りを感じることがあります。
変形が強い場合には、周囲の椎骨に負担がかかり、成長とともに側弯や神経圧迫を引き起こすこともあります。
半椎(はんつい)
椎体の一部が欠けていて、半分しか形成されていない状態です。
その結果、背骨全体のバランスが崩れ、側弯(背骨の曲がり)や姿勢のゆがみが生じやすくなります。
進行性の側弯症を伴うこともあり、成長期には定期的な画像検査が重要です。
蝶椎(ちょうつい)
椎体の中央部分が形成されず、左右に分かれて“蝶の羽”のような形になっている状態です。
多くは胸椎に発生し、軽度であれば無症状のこともありますが、数が多い場合には姿勢や脊柱のバランスに影響することがあります。
CTやMRIで偶然発見されることも少なくありません。
楔状椎(けつじょうつい)
椎体が台形や三角形に変形している状態で、背骨が片側に傾いて成長します。
軽度であれば経過観察で済むこともありますが、角度が大きいと脊柱側弯を進行させる原因となるため注意が必要です。
他の奇形と組み合わさってみられることもあります。
二分脊椎(にぶんせきつい)
脊椎の形成が不完全で、脊髄や神経の一部が骨の外に露出している状態です。
重症例では下肢の麻痺、感覚障害、排尿・排便障害などを伴うことがあります。
軽度の場合(潜在性二分脊椎)は症状がほとんどなく、MRI検査で偶然見つかることもあります。
クリッペル・ファイル症候群(Klippel-Feil症候群)
複数の頸椎が先天的に癒合している状態で、首が短く見える・動かしにくいといった特徴があります。
頸椎の可動制限のほか、肩や顔の左右差、側弯症を伴うこともあります。
まれに聴覚や心臓、腎臓など他の臓器にも異常を合併することがあるため、全身的な評価が大切です。
奇形の部位や形状によって症状の出方が異なるため、画像検査で構造を詳しく確認し、適切な対応を行うことが大切です。
検査と診断
身体診察・小児科健診
多くの場合、小児科や学校健診などで姿勢や体のバランスに異常がみられた際に疑われます。
背骨の左右差や肩の高さの違いなど、見た目の変化が初期発見のきっかけになることもあります。
MRI検査
MRIは、脊髄や神経の状態を詳しく確認できる検査です。
脊髄の圧迫や変形、空洞症の有無、神経根への影響などを立体的に評価でき、奇形による神経症状との関連を明らかにするのに役立ちます。
放射線を使わないため、お子様にも安心して実施できます。
CT検査
骨の構造を詳しく評価するのに有用です。
特に椎骨の形態異常を正確に把握したい場合に行われますが、神経や軟部組織の確認はMRIの方が適しています。
治療と経過観察
脊椎先天性奇形の治療は、症状の程度や成長段階によって異なります。
神経症状の改善・脊椎の安定性の確保・変形の進行防止が治療の主な目的です。
軽症の場合は定期的なMRI検査による経過観察を行い、症状が進行する場合には外科的治療が検討されます。
早期発見と適切な治療につなげましょう
脊椎先天性奇形の診断には、MRIによる精密な画像検査が欠かせません。
当院では、閉塞感が少ないオープン型MRI装置を導入しており、お子様でも安心して検査を受けていただけます。
予約状況に応じて即日検査にも対応しており、平日・土日ともに実施可能です。
首や背中の違和感、手足のしびれなどがある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
MRI検査によって、原因の早期発見と適切な治療につなげることができます。
